当事者からのメッセージ
2018.05.17

「同じ病名の方と会いたい。一緒に前に進む方を見つけたい。」-心臓の奇形と手の異常が併発するホルト・オーラム症候群を知っていますか

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数万人に1人、数十万人に1人という症状がある当事者やそのご両親・ご家族は、身近に同じ症状を抱える人がなかなかいないことから、世界でたった一人になってしまったような孤独感に襲われることが少なくありません。

同じような悩みをもつ人と出会いたい、相談し合いたい、一緒に進んでいける仲間がほしい…

これは障害の有無に限らず、何か乗り越えなければならないことがある方は皆、きっとそんなふうに願うのではないでしょうか。

今日は、そんな想いをもって心臓の奇形と手の異常が併発するホルト・オーラム症候群の患者会『ハート&ハンドの会』を立ち上げられた、代表の矢沢さんからのメッセージをご紹介します。

10万人に1人の遺伝子疾患、ホルト・オーラム症候群の息子。「同じ病名の方と出会う」願いを叶えたい

はじめまして!私は矢沢知恵と申します。長野県に住んでおります。

私の13歳の息子は、「ホルト・オーラム症候群」という遺伝子の病気です。

■ホルト・オーラム症候群とは?
心臓の奇形と手の異常が合併する10万人に1人の病気で、1997年にこの病気の原因遺伝子が発見されました。

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息子は心臓に多発性心室中隔欠損症・洞機能不全症候群といった生まれつきの症状があり、さらに両手の橈骨側に形成不全があるため鉄棒や逆立ちができず、左右の腕の長さが違います。

また、手首は筋、骨の発育不良でうまく動かす事ができず、お釣りをもらう時に手のひらでお釣りを受けることができません。

一緒に悩み、一緒に前に進む方を見つけたい。
患者会「ハート&ハンドの会」の立ち上げ

この13年間、私たち家族は遺伝科を受診しながらこの病気について調べつつ、手探り状態で息子を育ててきました。

ただ、情報はほとんどなく同じ病気の方にお会いすることもこれまでできませんでした。

同じ病名のかたは、
どのような生活をされ、どんな事に困っていて、
困っている事をどう解決されているのか?

また、どんな手術を受けたのか?
就学、就労は?結婚、妊娠について…

様々な情報を共有し、一緒に悩み、一緒に前に進む方を見つけたい。

そんな想いで、2018年1月にホルトオーラム症候群の患者会「ハート&ハンドの会」を立ち上げました。

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【「ハート&ハンドの会」アドバイザー】
* 東北大学 川目 裕 先生 (遺伝科)
* 長野県立こども病院 形成外科部長 野口 昌彦 先生
* 長野県立こども病院 元病院長 原田 順和 先生 (心臓血管外科)
* 長野県立こども病院 安河内 聰 先生 (小児循環器科)
* 英国 Fetal Medicine Foundation にて胎児医療臨床研修中 林 伸彦 先生
* 心臓病の先輩 猪又 竜 さま

不安に苛まれた息子がうまれたあの日

息子の手は「両側橈側列形成不全」(りょうそくとうそくれつけいせいふぜん)という病名がついていて、右手の親指は関節が通常より1つ多く、手首をうまく動かすことができません。

息子がうまれたとき、息子の手を見て「この子を育てることができるのだろうか?」「将来はどうなるのか?」と不安に苛まれ、正直、息子の誕生を心から喜ぶことができませんでした。

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ですが、生まれて数時間後に新生児室で息子を見ると、可愛らしくて愛らしくて・・・喜びのあまり大量の鼻血を出してしまうほどでした(笑)。

もちろん不安な気持ちはありましたが、本当に愛らしく、この世に自分の命より大切な存在があるのだと知りました。

その後息子は呼吸と脈が乱れ、一度も抱っこができないまま、NICUのある病院へ救急搬送されていきました。

その日から我が家は生活がガラッと変わり、これまでに経験したことのないことばかりの連続でした。

動かなくても5本並んだ手になりたい。手袋をはめたい。

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息子は重い心疾患や不安障害などがあり、これまで小児循環器科、形成外科、整形外科、リハビリテーション科、児童精神科、遺伝科に通院してきました。

これまでに手術を繰り返し、心臓にペースメーカーを植え込み生活しています。

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左手は息子本人の「動かなくても5本並んだ手になりたい。手袋をはめたい。」という強い希望があり、2016年に手術を受けました。

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今後も段階にわけて数回の手術をしていくことになっていますが、このときの手術は息子にとってとても過酷な入院生活でした。

必要な血管をつくるため2週間同じ姿勢でいなければならず、足には点滴が刺さり、尿管が入り、寝る時はベットに足を縛りつけます。

息子は心を病んでしまい、今は精神科に通いながら日常生活を取り戻すために頑張っています。

どうか同じ病名の方と会いたい、情報がほしいと願う日々

これまで、私たち家族はずっとホルト・オーラム症候群についての情報がほしい!と思い続けてきました。

これまで情報があまりに少なく、同じ病名の患者さんがいてもプライバシーの問題から会うことは叶いませんでした。

私は医療従事者ではありませんし、まだまだ勉強不足な部分も多いですが、経験があります。

情報を共有して、一緒に悩み、一緒に前に進みたい。

あなたの御家族、あなた自身が
親指がない、親指があるけれど短くて動かない
指が10本無い、手首がうまく動かない
心臓病もある…

こんな症状をお持ちでしたら、それは遺伝子の病気「ホルト・オーラム症候群」かもしれません。

この病気の患者さまでなくとも、この会を一緒に支えていただける方、お話を聞いていただける方、拡げる活動にご協力いただける方がもしいらっしゃいましたら、いつでもドアを開けてお待ちしています。

笑われ軽蔑されたのは、きっと知らないから。
ひとりでも多くの人に「ホルト・オーラム症候群」を知ってほしい

私は息子の手が大好きです。

がんばり屋さんで…ピアノも弾けるし、お裁縫もできるし、料理もできる。
一緒に生活していると、息子の障害のことは忘れてしまいます。

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ただ、これまで何も知らない人から、息子の手を笑い、軽蔑されるようなこともありました。

きっと、それは多くの方々が指がきれいに並んでいるので、きれいに指が並んでいない人のことを知らないだけなのではないかと思います。

ある時を境に息子は知らない人が多くいるとき、手を隠すようになりました。

「ママみたいなきれいな手になりたい」

5歳の時に息子が言いました。
きっと、「なんでそんな手なの?」…そう繰り返し質問され続けてきた彼の心には、計り知れないキズがたくさんあるんだと思います。

どんな人でも、どんな手でも、それを受け入れてくれる社会であるように
「頑張った手だね」って思ってくれる社会であるように

ひとりでも多くの人に、息子のこと、ホルト・オーラム症候群のことを知ってほしいと立ち上げた「ハート&ハンドの会」。

もしこれをどこかで読まれた、これまで会うことが叶わなかった息子と同じ病名の方と、一人でも多く出会うことができたら・・・

そして私の活動に賛同していただけたり、ご協力いただけるかたがいましたら、
どうかこの記事やハート&ハンドの会のシェアをお願いします。

13年間叶わなかった、「同じ病名の人と会いたい。」という願いを、
そして息子のこと、私たち家族の想いを拡げて頂けたら、こんなに嬉しいことはありません。

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人は誰もが支えながら、支えてもらいながら生きている

誰もが生まれてきたら必ず死に、誰でも病気になる可能性があり、完璧な遺伝子だけをもつ人間は存在しません。

知らないことは誤解を招き、偏見を生みます。

人は誰もが支えながら、支えてもらいながら生きています。

いつか、「障害者」「健常者」という言葉がなくなるように、
不安を抱える御家族が減るように・・・

まだ社会の仕組みは追いついていないので、病気がハンデにならない人生を暮らせる社会づくりの一石になりたいという気持ちをもって、私はハート&ハンドの会を立ち上げました。

どうか、たくさんの方のご協力をお待ちしております。

ホルト・オーラム症候群の患者会「ハート&ハンドの会」
ご連絡先

■相談・連絡窓口 hom_2h_tbx5@via.tokyo.jp
■Facebook ホルト・オーラム症候群の会-ハート&ハンドの会
■公式サイト(仮) https://hom-tbx5-chie2028.amebaownd.com/

※夏頃正式なホームページが立ち上がる予定です

\✨シェアでご支援をお願い致します✨/

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