運動
2018.10.02

【先天性四肢障害】手や足・指に欠損がある子どものスイミングスクール教室の選び方

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スイミング体験時

なりくんは、うまれつき両手と右足に指の欠損・変形がある”絞扼輪症候群(こうやくりんしょうこうぐん)“という症状をもつ男の子。

年長さんの冬からスイミングを習い始め、現在は小学校三年生です。
「息子の経験が誰かの役にたてば」と、なりくんのお母様がお話を聞かせてくれました。

子どもは「全身を使いながら、自分なりに泳ぎを習得していく」!やりたい気持ちを大切に、是非お子さんに合ったスクール探しを

「先天性四肢障害」といわれる多くの人と違う手足のかたちで生まれてきた子どもたちにとって、習い事は少し慎重になってしまうところがありますよね。

特に手足の動きがある程度重要となる習い事の場合、障害の度合いによっては躊躇してしまうこともあるかと思います。

たとえばそのひとつがスイミング。

・手で水をかくことができるだろうか
・バタ足が弱くなってしまう?
・裸に近い状態になるので、手足のことを周囲からなにか言われないだろうか…

私もこんなことを当初心配しました。

この記事では、「スイミングを始めたいけど実際どうなのかな?」という疑問がある、手足に欠損があるお子さんをお持ちのご両親へ向けて

なにか参考になれば!という気持ちで、我が家のスイミングスクールの体験談を書きたいと思います。

見学と体験は必須!

我が家の息子は、現在小学校3年生。両手と右足に指の欠損・変形がある絞扼輪症候群です。

手の様子

年長の冬からスイミングに通い始め、まず背泳ぎをマスター。
現在はクロールの練習をしています。

スイミングスクールは、現在のところで3カ所め。

手足を理由にスクールを変えたわけではないのですが、3カ所でスイミングを体験してきて、やはりスクールごとに特色がはっきりしているな、と感じました。

その体験から、これからスイミングスクールに通われる方は、見学と体験は必須だ!と感じます。

手足になんらかの症状がある子どものスクール選びに参考にして頂けたらと、これまで息子が通ったスクールの特色を書き出してみました。

【スクール1】障害者への指導をしていたコーチが在籍

年長の冬から小学校1年生の冬まで、1年間通ったところです。

選手の養成なども積極的に行っているようなスクールで、地域の子どもたちは多くがここに通っていました。

スクールバスも近所を通っていたので、それも選んだ理由のひとつでした。

見学時に、息子の手足の状態を申告したところ、コーチと直接お話することができました。そのコーチは、障害者へのスイミング指導をしていた経験もある方でした。

コーチ曰く、障害の度合いにもよるが、肘から先がない場合でも泳ぐことはできる。全身を使いながら、自分なりに泳ぎを習得していくとのことでした。

※息子の場合は、まず手のひらがあるため、水をかくのも大丈夫だろうとの判断でした。

通わせてみると、確かにバタ足も可能で、手で水をかいて前に進むこともできました。たまに、息子の手をちらちら見る子もいましたが、大きな問題もなく、ある程度まで進級することができました。

【スクール2】小規模なスイミングスクール

2カ所めは、一番仲のいいお友達が通っているという理由で通い始めました。

最初のスクールで、泳ぎへの心配はほぼなくなったのでですが、スクールに入る時は念のため手足のことを申告しました。

そのスクールでは障害者に指導した経験のあるコーチは在籍していませんでしたが、少人数だったこともあり、非常によくみてもらうことができました。

【スクール3】新たに建ったスクール

現在通っているスクールです。新しく建てられたため、全てが綺麗で清潔感があります。

ただ、新規スクールのためコーチの数が追い付いておらず、自分の順番を待つための列が長いことがネックではあります。

このスクールでは、最初のスクールのように障害者へのスイミング指導経験のあるコーチが在籍しており、安心して預けることができました。

スクール選びはこんなところを見るのがおすすめです

これまで息子が様々なスクールに通ってきた経験から、スイミングスクール選びのポイントを考えてみました。

・障害者スイミング、特に四肢欠損などの特性を持つ方の指導経験があるコーチが在籍しているとベスト。
・コーチの人数と生徒数はバランスがとれているか。
・仲の良いお友達が通っているところだと励みになる。
・長く通うことを考え、1人でも通いやすい場所に位置している。

ついつい手足のことだけ考えてしまいがちですが、仲が良いお友だちがいたり、1人でも通える立地にあるということも続けていくうえで大切になってくると考えます。

【参考までに…】

「日本スイミングクラブ協会」では、コーチに向けた身体障害児の水泳・水中運動研修会も定期的に行っているようです。

協会に加盟しているクラブは、障害児のスイミング指導法について熟知している可能性が高く、そうしたクラブから探してみても良いかもしれません。

一般社団法人日本スイミングクラブ協会 http://www.sc-net.or.jp/

「やりたい!」という気持ちを大切に

繰り返しになってしまいますが、障害の度合いにもよるが、肘から先がない場合でも泳ぐことはできる。全身を使いながら、自分なりに泳ぎを習得していくというコーチの言葉もありましたので、是非お子さんに合うスクールを探してみてはどうかなと思います。

スクール1では障害のあるお子さん向けのスクールも行っていました。どうしても通常のスクールでは心配がある、という場合は諦めずにそのようなスクールを探してみてください。

公には謳っていなくても、コーチの中に障害者への指導経験がある方がいるスクールも少なくないはずです。

スイミングは多くのお子さんが通っており、子どもの心肺機能向上や体力増進、集中力の向上など、メリットがたくさんあると言われています。

子どもの「やりたい!」という気持ちを大切にして、親子スイミングから始めてみると安心できると思います(*^^*)

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